軍事情勢レポート8 パックス・アメリカーナの終焉 2

黒井執斗氏による小論文の第8段、『 パックス・アメリカーナの終焉 ~世界覇権の行方~ 』のパート2です。

マスコミが報道しない貴重な内容なので、是非とも拡散願います。



-------------------------------------------------------------
『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート8 』

『 パックス・アメリカーナの終焉 ~世界覇権の行方~ 』です。

今回のレポートで黒井氏はパックス・アメリカーナ(アメリカによる世界秩序維持)が大きく揺らぎ始め「終わりの始まり」を迎えているという非常に重要な指摘をされています。

果たしてアメリカの覇権を受け継ぐ国はどこなのか…?

ぜひ最後までご熟読下さい!



ソース:
[『 軍事アナリストの最新軍事情勢レポート8 』]
http://sensapo.blog.fc2.com/blog-entry-43.html



=============================================================
パックス・アメリカーナの終焉 ~世界覇権の行方~ (軍事研究家 / 黒井執斗)

さて次に、余興として韓国の時事ネタを一つご紹介しましょう。

9月15日の仁川上陸作戦記念行事に参加する為、黄海を仁川港へ向けて航行中だった揚陸艦「独島(竹島の韓国名)」が10日に火災事故を起こし、2機の発電機が使用不能となって航行不能に陥るという事案が発生しました。

この独島(ドクト)という極めて挑発的な艦名の軍艦は全長199m、満載排水量約18000トンの空母型全通甲板を持つ揚陸艦で、韓国海軍最大の艦であり、かつ艦隊の中心たる司令塔として機能するご自慢の旗艦です。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/masousizuka/20120820/20120820110430.jpg

ある時は準空母、またあるときは強襲揚陸艦、時によってはアジア最大の輸送艦と称せられる謎の存在でもあります。その実体は、艦隊の旗艦に揚陸用のウェルドック(揚陸用注水ドック)やヘリ空母としての運用能力をも付加しようという、まるで宇宙戦艦ヤマト並に欲張った艦であり、韓国の優秀な設計・造船技術も相まって使い物にならないゴミと化してしまった不幸な軍艦です。

自らの発するレーダー波が甲板に反射してしまい、3基全てのレーダーにありもしない反射標的(ゴースト)が表示され、これは幾度改修しても結局解決せずに運用に至っています。

近接防御用のCIWSゴールキーパーは甲板上のヘリを破壊し、揚陸艇を積むとエレベーターが使えないことが発覚し、同時駐機可能数の5機のヘリを載せれば強度不足の甲板が撓んでヘリがまともに飛び立てず、洋上運用の為の防塩処理を施したヘリが予算不足で調達できず、ヘリ空母の形をしていながら就役後6年経っても艦載ヘリすら無いという話題の尽きない艦です。

ディーゼル機関による最大速力23ノット(約43km/h)は揚陸艦としては標準的な数値ですが、これを艦隊の旗艦とするならば、ガスタービン機関で30ノット(約56km/h)は出せる戦闘艦の足を引っ張ってしまいます。

このあまりの使えなさから韓国内でも疑問の声が上がるほどであり、演習時や記念行事以外は港に係留されたままになっている有様です。また、艦名が悪いからではないか、との声も出始めているようです。

今回の事案を整理してまとめると、まず今年4月に艦体の姿勢を制御する為のバラストタンクに注水した際、バルブ操作ミスにより発電機室に海水が流入して4基中2基の発電機が損傷。本来なら修理してから運用するのが常識であるのに事故を隠蔽し、残る2基の発電機のみで仁川港を目指して航行中に1基が火災を起こし、消火の為に用いた海水によって残る1基も損傷し、全発電機が機能を停止し航行不能に陥った…という流れになります。

「独島」の国産化率は70%だそうですが、残念ながら発電機は輸入品であり、全4基の完全復旧は来年の4月になると報道されています。

もう既にお笑いの領域に達しつつありますが、故障でドック入りばかりしている3隻のイージス艦といい、波高3mで蛇行して真っ直ぐ航行出来ない駆逐艦といい、見た目のスペックだけは立派でも韓国海軍の実体・実力はこの程度のものです。海上自衛隊には逆立ちしても敵わないでしょう。

先述の巡航ミサイルの件は要注意ですが、海軍が海を越えてこられない、という事実は陸軍兵力を日本に揚陸出来ないということであり、いくら彼らが日本を仮想敵国としても、我々は微笑みながら生暖かく見守ってあげればいいのではないでしょうか。

余裕を持って彼らを見ることが出来れば、昨今流行の嫌韓一筋ではなく、真の敵にも目を向けて考えることが出来ると思います。

ですが勿論、慰安婦問題や天皇陛下侮辱発言等、譲ってはならない所は死守すべきです。

さて、次に本稿の本題へと話を進めましょう。

2010年のチュニジアでの暴動によるジャスミン革命以来、民主化を求める反政府デモや抗議の争乱はアラブ中に波及し、いわゆる「アラブの春」として喧伝するマスコミに持てはやされました。

その立役者はスマートフォンの普及とFacebookやツイッター等のSNSコミュニケーション手段だと言えるでしょう。デモや暴動への参加を不特定多数に呼びかけるのは勿論、治安当局側の動きに応じて予定の変更等を迅速かつ広範囲に伝える事が出来るからです。結果として、本来は個の集まりである素人集団でも組織化された動きが可能になります。

それが今や、日本でも報道されるイラクやエジプト等の例を見ても明らかなように、中東は混乱と混迷を極める状態になってしまっています。

専門外なので参考程度に考えて頂きたいのですが、アラブの国々には民主化は早すぎるのだと思います。イスラム圏ということを考え合わせると、独裁政権であれば政教分離が比較的容易に実現し、国家として遙かに安定すると言えます。

例えば東南アジアのイスラム国家たるマレーシアにしても、一見すると平和に見えますが、国民の7割を占めるマレー系イスラム教徒への優遇政策に対して他民族の不満が高まっている状態です。また、イスラム教徒の間でも宗派によって大きな格差があり、度々問題となっています。

要はイスラム教と民主主義は相性が悪く、収拾の付かない混乱を招く恐れがあると言えます。

そして最も大規模なデモに発展し、継続中なのがシリアです。これはもうデモなどと言えるものではなく、完全に内戦です。

2年半に及ぶ内戦による死者数は10万人を超え、近隣国へ逃れた難民は200万人ともいわれています。本来ならば国連による介入があってしかるべきですが、安保理常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使するのは目に見えており、機能不全の国際平和組織は何の役にも立ちません。

それに加え、現在の国連事務総長は潘基文(パンギムン)です。就任当初から「韓国の為」と言い切り、国連組織を私物化して要職ポストを韓国人で固めた挙げ句、「正しい歴史認識が、良き国家関係を維持する。日本の政治指導者には深い省察と、国際的な未来を見通す展望が必要だ」と発言しました。

それに呼応し、中国外務省の副報道官は「積極的に評価する。歴史の正義を擁護し、日本に侵略の歴史を直視して反省するよう促すことは、国際社会共通の要望だ」との談話を発表しています。

実に馬鹿馬鹿しい限りです。特定の国に肩入れしないことが絶対のはずの国連事務総長がこの有様、さすがは歴代最悪の烙印を押されているだけのことはあります。

先の大戦の戦勝国クラブたる国連に期待などありませんが、少なくともアナン事務総長時代には、それなりの存在感があったと思います。潘基文は問答無用で即刻に罷免されても文句を言えないレベルでしょう。

国際社会がシリア情勢を放置する中、政府軍と反政府軍による内戦が延々と続いているわけですが、まずこの事態が異常です。特に反体制側の反政府軍に2年半にも及ぶ継戦能力があるはずないからです。つまり、これはバックの存在を意味します。

ユダヤとイスラム、イスラム宗派間の派閥争い、少数民族迫害、独裁政権に反発する民主化運動、利害のある国々の関与、等々が複雑に絡み合っている状態ですから簡単に要点だけを記すと、反政府軍を支援しているのはトルコやサウジアラビア、そしてアルカイダです。アルカイダは戦闘参加兵士も多く送り込んでいます。

それに対し、政府軍側を支援しているのはレバノンの武装組織、ヒズボラです。シリアは反イスラエルのテロ支援国家であり、ヒズボラとは深い関係があります。国家レベルで見るとシリアは親イランであり、イランの石油が目当ての中国、そして同じく親イランの北朝鮮にも繋がります。

こうした中、シリアの体制派・政府軍を何としても守らなければならないのがロシアです。なぜならロシアはシリアのタルトゥースに軍港の権益を持っており、これは貴重な不凍港かつ地中海に影響力を持つ為の要所だからです。

それに加え、シリアはロシア製兵器の顧客であり、アメリカ製兵器に対峙する事になった場合には意地でも有用性を示さねばなりません。さもなければ、湾岸戦争でロシア製兵器が西側兵器にワンサイドゲームで撃破されてしまった時のように、評判が地に落ちて誰も買わなくなってしまいます。

そしてアメリカ・オバマ政権が軍事介入を躊躇し続けてきた背景の一つには、米軍の厳しい台所事情があります。財政難による国防予算の強制削減です。

影響は様々な所に及んでいる、もしくは及ぼうとしていますが、38000人の文民職員に対する強制無給休暇と6000人以上の人員削減、航空機の定期修理や部品交換費用の2割削減、航空機飛行時間の削減、航空機操縦教官を養成するトップガンスクールの運用停止、陸軍の正規兵力を57万人から49万人へ削減、前線への展開を除く全ての訓練や演習の中止、計10群を保有する空母打撃群のうち3~4群の運用停止…等々、安全保障をアメリカに頼っている日本で全く報道されないのが不思議な状態です。

つまり、アメリカはイラク戦争の時のように中東で大規模軍事展開を行う能力を失いつつあります。

オバマは自ら化学兵器の使用をレッドラインと位置づけ、警告の発言をしていました。それは内戦が激化して混乱がより深刻化すればテロ組織等への化学兵器拡散へと繋がり、その標的がアメリカになる可能性が高いことも理由でしょう。

そして遂に、それが政府軍によるものか反政府軍側によるものかは定かではないにせよ、神経ガス・サリンの使用が明るみに出てしまい、アメリカは引くに引けなくなってしまった。

少し話題が逸れますが、我々がサリンと聞けば地下鉄サリン事件を思い出しますね。当時私は海外に滞在していたのですが、朝食時のレストランでちょくちょく顔を合わす長期滞在のドイツ人が現地英字新聞を片手に「神経ガスを使うなんて、日本人は本当にクレイジーだな!」とまくし立ててきました。思わず「そもそも最初にサリンを量産したのはナチスドイツだろ」と言いかけて踏みとどまった記憶があります。

オウム真理教の例を見てもわかるように、大学で学ぶ程度の化学知識と原材料があれば安価かつ比較的容易に作れ、かつ致死効果の高いのがサリン、タブン、ソマン等の化学兵器です。「貧者の核兵器」と呼ばれる所以ですね。

少し前には某左翼新聞が「自衛隊がサリンを隠し持っている」と騒いでいましたが、世界の全ての軍隊はサリンを含む化学兵器を少量ながら所持しています。なぜならば、あらゆる種類の神経ガスサンプルを持っていなければ、それに対する防護策の研究が出来ないからです。少し考えれば当たり前ですね。

様々な事情があるにせよ、サリンの使用、軍事介入に乗り気だったイギリスやフランス、そしてヒズボラと敵対するイスラエルの要望もあってアメリカは介入に踏み切らざるを得なくなりました。

ただし、前述のように大規模な軍事展開は出来ませんし、政府軍=ヒズボラを叩くことはイスラエルの為でもありますが、それは同時に反政府軍=アルカイダに利する事になってしまうジレンマがあります。アサド政権が打ち倒されてアルカイダ系の新政府が化学兵器込みでシリアを支配するようになればアメリカにとっては悪夢でしょう。

よって目的は明らかに政権を転覆させない程度に攻撃を加えて懲らしめる事であり、陸軍兵力を除く限定的な軍事介入を計画し、5隻のミサイル駆逐艦を東地中海に展開しました。

日本では「ミサイル駆逐艦」と報道されていますが、これは要するに全てイージス艦です。

アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦は計90セルのMk.41 VLS(垂直発射装置:Vertical Launching System)を装備していますが、甲板上には上蓋の部分しか露出していない為、果たしてどんな割合で対空、対地、対艦ミサイルを積んでいるかは判別できません。

ですが恐らく、計5隻で200発前後のトマホーク巡航ミサイルによる攻撃が可能でしょう。

それに加え、隠密行動が大原則のオハイオ級巡航ミサイル潜水艦が近海に潜んでいれば、1隻当たり154発のトマホークが追加される事になります。

≪つづく≫

軍事情勢レポート8 パックス・アメリカーナの終焉 1
http://ochimusya.at.webry.info/201310/article_13.html

軍事情勢レポート8 パックス・アメリカーナの終焉 3
http://ochimusya.at.webry.info/201310/article_15.html


=============================================================



Link:

軍事情勢レポート7 新たなる東亜の繁栄 Part3
http://ochimusya.at.webry.info/201309/article_9.html

軍事情勢レポート7 新たなる東亜の繁栄 Part2
http://ochimusya.at.webry.info/201309/article_8.html

軍事情勢レポート7 新たなる東亜の繁栄 Part1
http://ochimusya.at.webry.info/201309/article_7.html

軍事情勢レポート6 皇国の興廃この一戦にあり 4
http://ochimusya.at.webry.info/201306/article_7.html

軍事情勢レポート6 皇国の興廃この一戦にあり 3
http://ochimusya.at.webry.info/201306/article_6.html

軍事情勢レポート6 皇国の興廃この一戦にあり 2
http://ochimusya.at.webry.info/201306/article_5.html

軍事情勢レポート6 皇国の興廃この一戦にあり 1
http://ochimusya.at.webry.info/201306/article_4.html

真の敵との戦い
http://ochimusya.at.webry.info/201306/article_3.html

軍事情勢レポート5 第一部 中共の野望
http://ochimusya.at.webry.info/201305/article_8.html

軍事情勢レポート5 第二部 韓国の軍事力
http://ochimusya.at.webry.info/201305/article_9.html

軍事情勢レポート5 第三部 中共の侵略の歴史
http://ochimusya.at.webry.info/201306/article_1.html

軍事情勢レポート5 第四部 中共海軍の軍事力
http://ochimusya.at.webry.info/201306/article_2.html

対中包囲網構築への道
http://ochimusya.at.webry.info/201305/article_1.html

軍事情勢レポート4 空軍力~防衛産業~朝鮮半島
http://ochimusya.at.webry.info/201305/article_2.html

軍事情勢レポート3 核の拡散と日本の決断
http://ochimusya.at.webry.info/201303/article_5.html

軍事情勢レポート2 開戦前夜は近し
http://ochimusya.at.webry.info/201302/article_9.html

軍事情勢レポート1 牙を剥く中国と暴走する北朝鮮
http://ochimusya.at.webry.info/201302/article_1.html

世界平和に貢献する日本の核武装
http://ochimusya.at.webry.info/201206/article_13.html

国防アレルギーは滅亡への道 Part1
http://ochimusya.at.webry.info/201107/article_11.html

国防アレルギーは滅亡への道 Part2
http://ochimusya.at.webry.info/201108/article_1.html

テーマ「日本人が知らない シリーズ」のブログ記事
http://ochimusya.at.webry.info/theme/57295fd580.html



あなたの1クリックが、
情報の認知度を高めます!

  
人気ブログランキングへ
Thanks for your cooperation!

 


日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略
高木書房
深田 匠

ユーザレビュー:
国際社会の「大人」の ...
本当は★無限大のはず ...
素晴らしいの一言高校 ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る


 
 

この記事へのトラックバック